質問型営業®で変わったこと、苦戦したこと

実際に、質問型営業®を始められて変わったこと、良かったことはありますか?

高橋社長:変わったことは、営業での議題に上ったときの、ここはどうしようかとなった時の、そこに至るまでのスピードが変わりましたね。

― それはどうしてでしょうか?

基準ができたってことだと思うんですが。今までは基準がない中で、何で失敗したのかということを考えていた。誰も基準を持ってないのに、何となくボンヤリしたまま良い悪いを判断しようみたいな感じで進んでいって、とりあえずやってから考えよう―に繋っていたんです。
だけど、質問型営業®を習わせて頂いて、質問型営業®という基準ができたので、基準はこうだからと落とし所をつけた結果、皆んなの納得感が出ていたという部分があります。

― 例えばどのようなことでそう感じましたか?

例えば、説明したんですけど売れなかったとなった時に、あそこは買ってくれないからってなんて、言い訳を言い合うなどの未熟さがあったのですが、質問型営業®を基準型営業に据えることによって、質問が悪かったんだと内省の方に向かって、あそこの質問で欲求を聞き出せなかったんだと思うようになりましたね。

― 分析が出来るようになったということですね。

はい、駄目だったところを振り返れるようになりましたね、次に活かせるように。

― 始められて、逆に苦戦したことはありますか?

苦戦したところは、やっぱり相手があることなので、なかなか目に見えずらかったりするところです。振り返りシートとかも使っていたのですが、それぞれの受け取り方で、質問しなきゃっていうので固まってしまったり、最初こんがらがる人もいるっていう部分で苦戦しましたね。

― それを、どうやって乗り越えたんですか?

それは、やはりコツコツやることしかないかなというのがありますね。

 

営業のセンスとは

― 質問型営業®をやられる前は、感覚的にされている、それってセンスなのかなという話が出てたんですね。私はセンスというと、こういう風にやったら上手くいくかもしれないな、ということを感じてやりきることがセンスだと思っています。それはやはり、どんなことでもいいから成功体験、自分の中で何か成功体験をすることで培われていくものと思いますが、どう思いますか?

青木先生のお話の中で、仮説を立てるというのがあるじゃないですか。その仮説の立て方じゃないかなと思います。
その場で、どう対応していくかの部分で、仮説を立て→検証し→実行する、という話だと思うのですが、センスがないという人は、その仮説の部分が弱いなって印象がありますね。

― なるほど。この前、武井壮さん(タレント・アスリート)がテレビで言ってたことなんですが、子供の頃に野球をやってて、ホームランをかっ飛ばすつもりが空振りの三振で、それをビデオに撮ったものを見てみると、自分の想像している動きと体の動きがまったく違う。だから自分の動きと、想像している動きがキチッと合えばホームランが打てる、と思ったそうです。
で、それをどう鍛えるか考えてみて、まず腕を水平に上げてみようと、鏡の前で目を瞑って腕を上げたら、こんな風にダラーンと下がって水平になっていない。ああ、こうなってるんだ、原因はこれだなと気づいた。
それから毎日、腕を水平に上げるイメージ・トレーニングをして、それで半月間、毎日それをやるとついに出来るようになったと、そういうことを話していたんです。つまり、イメージしたことを行動に起こすということですね。要は、思ってることを、キチッと行動に出来るということが勝負どころで。
普通の人は、それをやるのに毎日毎日訓練をして、その積み重ねでそこにたどり着けると思っている。でも違う。肝心なのは、できない部分をしっかり捕まえて、そこに焦点を合わせしっかり訓練する。すると、そこが少し出来るだけでグンと向上する。
だから営業でも、その本人のどこをどう変えたらいいのかっていうところを、私はチェックして教えて、それをロールプレイングするっていうことを、意識してやってますね。

変化に気づく

― 1年以上やっていて、なにかレベルアップしてるなというところとかありますか?

そうですね。毎朝ロールプレイングしてるし、やってることがどんどん本質的になってきている。
質問で、この案件どうしようかっていうところとか、戦術としてあったものが、戦略の方まで逸脱してきていますね。例えば、質問型で操作・解決策にしてたものを全部ロジック化して、質問も自分たちに合うようにカスタマイズしています。

― なるほど。1年経って進化してる中でも、特に大事なものってなんだと思いますか?

運気ですかね。私は、漫画が好きでよく読むんですが、「hunter×hunter」(少年ジャンプ連載)で強いお爺さんがいるんですよ。そのお爺さんが1日1万回、正拳突きをやってたんですよ。
それを1万回やるのに、最初の頃は日が暮れてたんです。これが半年経ったとき、1万回終わったあと夕方くらいで終わってて、気がついたら速度が上がって精密度も上がってた。そのルーティンをやることによって、運気が高まっていた。
僕は、それこそセンスなんだ、継続力なんだ、凄い!と思いまして。これって、かなり大切だなと、今も思ってますね。

― 今の話でいうと、高橋さんのセンスって変化に気づくってことですか?

はい。青木先生の話で言うと、お客様に質問していく中で、じーっと観察して、相手の変化を捉えて自分を変えてく。でも、今言ったようなセンスがないとなったら、そこの変化に全然気づかない。説明型だと、自分ばかり説明しているので、相手が曇った顔をしているなとか、時計を見ているなとか相手のことが見えていない。相手の存在よりも、こっちが喋んなきゃって思ってしまうんで相手の変化に気づかない。
でも質問型だと、相手の変化に合わせて「何か気になることがありますか」とか、「ところで」と話を変えてみたりとか、容易に会話を展開していける。だからセンスとは、変化に気づくことではないかなと思いますね。

― おお、凄いですね、なかなか名言ですね、変化に気づける。

変化点に気づけるってビジネスもそうじゃないですか。時代が終わってるのに、頑張ってやっても駄目なものは駄目なので。

― そうですね、仰る通りです。

青木先生の言葉で、私が好きな言葉に、「諦めることと、見極めることは違う」というのがあります。この言葉、もの凄く好きなんです。事あるごとに、思い出すことがあります。
みんな諦めたら駄目だってことで頑張るんですけど、駄目なものは駄目なので、見極めろっていうのが、この言葉の本質で、頑張っても駄目なものはだめなんだから、楽しくやろうぜみたいなことを青木先生は言ってるんですね。
当社の営業の現場でも、一生懸命やればやるほど「今日はテストクロージングまで行くぞ」っていう気持ちになって、もう諦められず、見極められず、最後までいって、結局売れないということが、やっぱり起こってしまってるので、そのあたりも伝えていきたいですね。

― 結局、営業は見極めだけだと思うんですよね。「人は思った通りにしか動かない」という大前提と、「お役立ち」の2つがあれば、見極めはできると思います。

見極めっていうのも、センスですね。まったく魚いないところで釣りしても、無駄に終わるわけですから。

― いやぁ、今日はいいお話ありがとうございました。高橋社長とその社員さんの体験談の、ポッドキャストもぜひ聞いていただきたいですね。高橋社長ありがとうございました。